川。それは山と海をつなぐ、生命のオアシス。

 

水辺に住む鳥の鳴き声や時折跳ねる魚の音をBGMに、川の流れと共にツアーは進みます。非日常な〝川からの目線〟は、陸上とは異なる新鮮な世界と冒険心をくすぐる新しい発見が待っています。

 

川の流れというものは、一日の中でも変化しています。朝と夕方、季節や天気、河口付近であれば潮の干満によって見せてくれる様々な表情。また水面の様子と水中、川底と、その流れは一定ではなく、無数の流れが立体的に幾重にも重なり合い、重力のままに低い方へと流れて行きます。上流域、中流域、河口域と、川の深度、水質、流れのスピード、川をとり巻く環境も、段階的に変化します。また、水の通り道である川は風の通り道でもあり、地上で最も低い位置にあるために、周りより気温が少し低いのも特徴です。

風のない日には水面がまるで鏡のように空を反映し、心奪われる瞬間も。その風景の裏には様々な生き物たちが生態系を成しています。まさに川は、生命の拠り所だと言えるのです。

尚、海に近い河口付近の川の水質は山奥の清流とは違い、人々の営みから流れた排水なども入り混じり、お世辞にもキレイだとは言えないのも事実です。わたしたちが暮らすありのままの環境を知ることも、改めて都市を見直すひとつの材料になるでしょう。

原生の自然も街にある自然も、同じ地球上の自然です。自然環境はわたしたち人の手によりどの様にも変化しますが、一度バランスを崩したものが元通りの姿に戻るには、何世代もの時間がかかります。はっきりしているのは〝この今が未来へとつながっている〟ということ。川からの視点で自然環境を観察してみましょう。