最近めっきりセミの鳴き声も聞かなくなりました。しかし、いるんですね〜他のセミたちがいなくなった頃にひょっこり現れる、季節外れの遅れてやってきた大物が^ ^
こんばんは〜
SNAIL VISION Nature Healing Trip
天然系自然ガイドのツムリンことトモキです♪
一瞬耳を疑ったのは、ここ最近セミの鳴き声を聞いていなかったから。
10月も半ばに差し掛かり、さわやかな秋の風がやさしく吹くと、日中あれだけ忙しかった蝉時雨もピタリと消えていました。
いつものように散歩をしていると、遠くから「ツクツクボーーーシッ!」と聞こえてくるのです。
たった一匹の鳴き声だからなおさら目立ちます。聞こえてくる方へと近づいてみると、木の高い場所に彼がいました。
周りに仲間たちがいなかろうが、そんなことはお構いなしに元気に全身を震わせてはあの独特なメロディーを奏でています。
もうなんだか、メスへの求愛というより、地中から這い出し、幼虫から成虫へと生まれ変わり、自由に空を飛んだり好きな木にとまって樹液を吸ったりと、まるで生きていることそのものを高らかに謳歌しているようでした。
あまりにも健気に全力で鳴いている様子が、なんだか可愛くて微笑ましかったです^ ^
彼の目には一体、この世界はどんな風に映っているのでしょうか。。
その足で次に目に入ったのは、塀の壁に留まっていたセミの抜け殻でした。今日はセミの日みたいです♪
その抜け殻には乾燥した土がこびり付いていました。
通常、地中で過ごす期間はクマゼミが4〜5年、アブラゼミが3〜5年、ツクツクボウシが1〜2年と言われています。海外の幼虫期間が長いセミは、地中で17年も過ごす者もいるそうです。しかし、ほとんどの成虫の寿命は、一週間とは言わなくても一ヶ月は生きるのです。
数年間を地中で過ごし、最後の一ヶ月間だけ(主に繁殖を目的としている)地上で過ごすなんて、その生態は興味深いものです。
卵は地中ではなく、枯れた木や木の皮に産み付けられて厳しい冬を越し、梅雨時期に孵化するというので、寒さや乾燥にはとても強いんですね!梅雨の雨で地表が柔らかくなるのを見計らって地面にポトリと落ち、土に穴を掘って潜っていくのです。
そんなプロセスを過ごしてきた、目の前の抜け殻。
それは彼の生きた証でもあり、夏が通り過ぎて行った証拠でもあるように思えました。
秋という季節の中に、夏という抜け殻だけが残されていたのです。。
なんだか僕も、一枚皮を脱ぎたい気持ちに駆られてしまう、センチメンタルを噛みしめるちょっぴり切ない夜は、すべてこの季節のせいにしておきましょう^ ^