古来からわたしたち日本人は、季節を味わう感性を大切にしてきました。文学においても俳句には、季節を表す〝季語〟を使用するルールがあります。その言葉が入るだけで、だれもがその季節を思い浮かべられる言葉のことです。
五感を与えられたのは、季節を楽しむためなのかも知れませんね^ ^
こんばんは〜
SNAIL VISION Nature Healing Trip
花を愛する自然ガイドのツムリンことトモキです♪
9月から10月にかけてキンモクセイ(金木犀)が開花します。
幼少時代に住んでいた家の庭先に、垣根としてキンモクセイが植えられていました。
あの芳香がまるでDNAに刻まれているかように、風に乗って漂う香りに思わずふり返ってしまうほど、遠い記憶がフラッシュバックするほどに、「また今年もキンモクセイが咲いているな〜」と、わけもなく涙腺を刺激してくるんですw
小さなオレンジ色の花をたくさんつけるキンモクセイは、中国から渡来してきました。
その甘く香り高い花は、お酒やお茶などにも用いられています。
桂花陳酒(ケイカチンシュ)
白ワインにキンモクセイの花を3年間漬け込んだ中国のお酒。かの楊貴妃が好んだお酒という言い伝えもあり、甘みが強く香り高いのが特徴。桂花陳酒を使用した「楊貴妃」というカクテルもあります。
桂花茶(ケイカチャ)
桂花茶はキンモクセイの花を乾燥させたもの。甘い香りが高く、そのまま煎じたり、紅茶や烏龍茶などに混ぜたりします。
日本にはオスしかいないのも大きな特徴です。
一般的な被子植物の花は雌しべと雄しべの両方を持ちますが、キンモクセイは雌雄異株(しゆういしゅ)の植物です。挿し木で全国に広がったキンモクセイは雄株ばかりなので結実しないのです。
10日ほどで散っていくキンモクセイ。先日まで芳香を漂わせていた花は、この雨によって落とされたでしょう。
この〝今〟という時間を共に生きていることに気づかせてくれる季節の花は旬の果物と同じように、風と共に運ばれてきては、気付けば旬は去り、順に規則的に巡っています。
わたしたちの人生が、前へ前へと進んでいるのを、自然は何も語らず知らせてくれています。言い換えると、わたしたちは季節の波に乗せられているようです。
四季を味わう感性があるってこと、幸運なことですね♪
金木犀