〝華〟という言葉そのもののような、季節を運ぶ旬の花。ヒガンバナが至るところで満開です♪
こんにちは!
SNAIL VISION Nature Healing Trip
天然系自然ガイドのツムリンことトモキです♪
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますが、〝お彼岸〟とは、一年の中で真東から太陽が昇り、真西に太陽が沈む春分・秋分を間に挟んだ前後3日間(合わせて一週間)の計14日間を指します。そのうちでヒガンバナが咲くのは秋分の頃になります。
ヒガンバナはヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生の球根性植物で、ユリの仲間になります(クロンキスト体系ではユリ科)。
別名である〝曼珠沙華〟はサンスクリット語(古代インドの古典語)からの由来で、仏教では「天上の花」という意味も持っています。古くは中国から帰化したヒガンバナは日本全国に分布し、その地方名は1000を超えるほどだそうです。日本の季節を代表する花のひとつですね♪
「綺麗な花には毒がある」
真っ赤に燃え盛る炎のようなその見た目は、どこか妖艶な美しさがあります。
ヒガンバナは全草有毒で、特に球根にはアルカロイドという神経性の毒が多く含まれており、食べると中枢神経が麻痺し、嘔吐、下痢、ひどい場合は死に至ることもあるそうです!
長時間水にさらすと毒が抜けると言われ、食料難の時代には飢えを凌ぐための救荒食として食べていたそうですが、仮にそんな状況になったとしても、死のリスクを負ってまで食べることはないと思います。当時の相当な飢饉を想像します。。
お彼岸に合わせてこの時期、〝ヒガンバナ祭り〟が各地で行われています。よくあるロケーションとして田んぼのあぜ道や棚田にズラリと咲いており、稲の緑とのコントラストが美しい。。
畑や田んぼの周りに人為的に植えられた目的は、田畑を荒らすモグラやネズミや虫などが、球根の毒を避けて近付かないようにするためです。
仏教の世界観で、煩悩や迷いや悩みに翻弄されるこの世を、こちら側の岸「此岸(しがん)」と言うのに対して、極楽浄土のあの世のことを、向こう側の岸「彼岸」と言います。
お彼岸が春分・秋分を中心にしているのも、西方十万億土の彼方に極楽浄土があるとされているからで、真西に太陽が沈むとき、極楽浄土の方角が指し示されるのです。お彼岸にご先祖様の供養をするのは日本独特の仏教行事ですが、春分・秋分は古代から世界中の人々の暮らしに密接に関わっています。
有毒かつ宗教的背景も絡んだ真紅の花。。
毎年ヒガンバナを見る頃になると、ついつい極楽浄土に想いを馳せてしまうツムリンです♪
ヒガンバナ
(出典.pakutaso)