ブラックライトに当ててみるとまず発光しそうな、自然界の蛍光ピンク色代表。水辺好きの方や農家の方はおなじみの
ジャンボタニシの卵です。皆さん一度は見たことがあるのではないでしょうか?
(クリークの壁にびっしり!の写真も撮りましたが、色々を考慮し載せていませんw)
見方を変えると、旨そうにも見える、、こともないか、、
こんにちは!
SNAIL VISION Nature Healing Trip
ガイドのツムリンことトモキです。
通称ジャンボタニシことスクミリンゴガイは、1970年代以降に食用として持ち込まれた外来種で、日本にやってきてまだ40年そこそこにしては、すっかりどこでもあのピンク卵(有毒)をみることができます。
食用で持ち込まれた外来種の代表クラスでいうと、アメリカザリガニ、ブラックバス、ウシガエルなど、とにかく繁殖力が爆発的です。日本古来からの固有種は、あっと言う間に絶滅の危機です。観葉植物にしてもペットにしても、セットになってなんらかの卵や菌も入国してきます。
沖縄の草むらに、その名もアフリカマイマイという東アフリカ原産の世界最大のカタツムリの仲間(ツムリンが敬愛するカタツムリとは一線を画する)がゴロゴロいるのも現状で、今では世界の熱帯エリアには浸透してしまっているそうです。よい子のみんなはさわらないでね!致死レベルの寄生虫がいるよ!
自然界が最もグローバリゼーションの荒波がキツそうですね!
もちろん現状のすべては、人間の経済活動の賜物であることは言うまでもありません。そして彼らも生きもの。自然淘汰の中、ただ、与えられた生を全うしているだけです。
持ち込んでみたり、害とみなしたり、悪を着せてみたり、、人間様ってこの地球上の何様なんでしょうか?
話がそれました。今日はジャンボタニシの紹介です♪
ジャンボタニシは稲作をされている農家さんには嫌われ者です。それもそのはず、若い稲を好んでバリバリ食べるのです。
ここが、他のタニシ(日本にはマルタニシ、オオタニシ、ヒメタニシ、ナガタニシの4種類のみ)と大きく異なる点で、タニシは泥などデトリタス(微生物の死骸などの有機粒子)を食べる食性と、濾過摂食といって水を濾して餌をえる食性(結果、水を浄化してくれる!)を持っています。
僕の父の実家は米農家ですが、先日お盆でお墓参りに行った時にジャンボタニシとはどう向き合っているのか尋ねてみると、「駆除はせず、稲を食べないように餌をやっているよ(キャベツやニンジンの皮など)」と言われました。共存の道ですね♪
また、タニシは稚貝を産む卵胎生で、ジャンボタニシのように卵は産みません。
これらのことから、ジャンボタニシはタニシとは別の生きものなのです。
自然界で異彩を放つ、蛍光ピンク色は、他の生きものへの警告なのかもしれません。
その卵は近くの水面から少し高い位置に産み付けられています。卵は空気中でしか孵化できません。そんな卵には神経性の毒があり、あの派手な色でアピールして種の保存を試みているようです。
呼吸の仕方はエラ呼吸だけでなく、肺用器官で空気中の酸素を利用することもできるので、乾燥には強いようです。土に潜り冬を越すものもいますが耐寒性は高くないので、おもに西日本、そして小さな幼体が越冬に成功するといいます。その割には殻は薄く、地面に落とすだけで割れてしまいます。
食用として輸入されたジャンボタニシもアフリカマイマイ同様、寄生虫を宿しています。住血線虫といい、人体に入ると脳や脊髄の血管や髄液の中に寄生し、髄膜脳炎の症状を引き起こします。発症して死亡した例もありますので、手にとって観察した後は、しっかり洗って清潔にしてくださいね!
ジャンボタニシに限らず、自然の生きもののすべてが、体内外、何かしらの菌とともに共生しています。遊んだ後は、手を洗いましょう♪
しかし、食用として入ってきたわけだし、以前住んでいた西表島ではカタツムリの生食いもしたし(もちろん激しく腹をやられ、診療所にお世話になりましたw)、今度しっかり火を通してエスカルゴ風に料理して食べてみたいと思います♪
生きものひとつひとつが、それぞれまるで宇宙のように広大で、不思議な生態をしています。
そしてそのどれもが、関連し合い、この地球の一部として生を生きているのではないでしょうか。
余計なものなどひとつもなく、すべてでひとつを成すこの地球。
感謝の心が自然と生まれ、命尽きればまた自然へと還っていくのです。。
ご興味のある方はどうぞ♪
『世界の侵略的外来種ワースト100』
エイリアンさながらの、ジャンボタニシですw